TOEICやTOEFL、英検などの資格の種類に関わらず、英語学習に共通する英語学習の流れをまとめました。
これから英語学習を始める方も、すでに英語の学習に取り組んでいる方も、今自分が英語学習のどの段階にいるかを把握するための地図のようなものだと捉えてもらえると幸いです。
まず、結論は以下の通りです。
①3つの基礎力=語彙・文法&英文解釈・発音
②4つの応用力・運用力=4技能(Reading, Listening, Speaking, Writing)
☆基礎力①を固めたうえで、英検などの各自が目指す資格試験などの教材で応用力②を鍛える。
英検などの資格試験や英会話など、習得したい能力に関わらず、英語の基礎である語彙・文法&英文解釈・発音の3つを固めたうえで、応用力(運用力)であるReading, Listening, Speaking, Writingの技能の訓練をしていきます。
ここで言う英文解釈とは、英文の構造を把握したうえで正確に訳す技術のことです。
英語力を上げる訓練はスポーツの訓練と全く同じで、体で覚えるものです。
スポーツも同様に、何度もラケットやバットを素振りするうちに、無意識に正しく効率のよい振り方ができるようになります。
日本語を話す際に、文法や発音などの細かいことは考えませんよね?
これは生まれてからずっと日本語を運用し続けてきて、体に染みついているからです。
英語も同様に、日本語と同じような実用レベルで使いこなせるようになるためには、体に染みついて、無意識で言葉を理解したり発したりすることができるようになるまで、筋トレや素振りのように反復訓練をしていく必要があります。
学習初期の段階では基礎を中心に固めていき、応用の段階に入ったらテニスや野球の素振りと同じように、各種教材を使って反復訓練をしていきます。
英語学習の基礎は語彙、文法&英文解釈、発音
語彙
語彙力は、英検なら英検用、TOEICならTOEIC用というように、目指している資格試験の単語帳、熟語帳で固めていきます。
英文中に出てきたものをその都度調べて覚えるだけだと、調べる作業に時間を取られすぎてしまい、挫折の原因になってしまいます。
Reading, Listening, Speaking, Writingの応用訓練を本格化する前に、少なくとも単語帳1冊は仕上げておくことが望ましいです。
文法 & 英文解釈
高校卒業レベル、英検で言うと2級レベルの文法&英文解釈の知識があると、学習を効率よく進めることができます。
「ネイティブは英文法をそんなに詳しくわかってなくてもちゃんとしゃべれているじゃないか!」とか「日本語を話すときも文法は意識してないから、英語も文法はそんなに重要ではないのでは?」という指摘があります。
しかし、ネイティブではなく第2言語として英語を学ぶ場合は、先に基本的な英文法を固めた方が、応用訓練を効率的に進めることができます。
文法が重要な理由①:英語は文の形によって意味が決まる
英語は英語のルール(=英文法)に則って並べられた語順によって意味が決まる言語です。
以下の例を見てください。
Mary loves John.「メアリーはジョンを愛している」
この文のMaryとJohnの順番を入れ替えると、
John loves Mary.「ジョンはメアリーを愛している」
というように意味が変わってしまいます。
それに対して、日本語は順番を変えても意味は変わりません。
「ジョンはメアリーを愛している」
「メアリーをジョンは愛している」
英語は、文法によって並べられた語順によって意味が決まる言語ですので、どんな形になっていたらどんな意味になるのかというルールは覚えておく必要があります。
文法が重要な理由②:丸暗記を最小限に抑えることができる
I play tennis.
I am playing tennis.
この2つはどちらも「私はテニスをしている」という日本語になります。
しかし、同じ「している」という日本語でも、playは「普段している」、am playingは「たった今している」というように、ニュアンスが異なります。
どういうルールがあるかというと、playのような<現在時制>は <いつも変わらないこと><昨日も今日も明日も変わらずに起こること>を表します。
ですので、playは「昨日も今日も明日も変わらずにする」、つまり、例えば部活などで<習慣>として「普段している」というニュアンスになります。
一方、am playingのような<現在進行形>は<たった今、この瞬間の出来事>を表します。
ですので、am playingからは「たった今、テニスをしている」ということが分かりますが、「普段、習慣的にテニスをしているかどうか」は判断することができません。
この違いは、大量の英文で何回も見るうちに何となくニュアンスの違いを分かるようにするよりは、英文法として<現在時制>や<現在進行形>のルールを学ぶことで、同じルールが使われている様々な文を、1つの知識で整理することができます。
そうすることで、play以外の動詞、例えば
I take pictures.
I am taking pictures.
の違いも同様に、takeは趣味などで「普段写真を撮っている」、am takingは「たった今撮影をしている」という違いになることが分かります。
「takeは現在時制だから<普段している>ということか」というようにルールを当てはめて考えることで、playは「普段している」、am playingは「たった今している」、takeは「普段している」…などと1つ1つ個別に覚えるよりもはるかに効率よく学習を進めることができます。
このように、文法を1つ学べば、同じルールを別の単語や文にあてはめて考えることができますので、覚える量をぐんと減らすことができます。
文法が重要な理由③:関連事項をまとめて暗記していくことができる
文法を固めておきたい理由の最後です。
例えば「私はあなたにここに来てほしい」という英作文を書くように求められたとしましょう。
I want you to come here.
となりますが、この場合、<want A to+動詞の原形>で「Aに~してほしい」という構文は覚えてないといけません。
これは、<tell A to+動詞の原形>「Aに~するよう言う」や<ask A to+動詞の原形>「Aに~するよう頼む」といった、同じ形になるものとしてまとめて覚えていくことになります。
このような、覚えておかなければどうしようもないものも、英文法の学習でまとめて覚えてしまう方が、大量の英文を読んでいく中で「もしかして<want A to+動詞の原形>という決まった形があるのかも?」と徐々に覚えていくよりは、はるかに効率よく英語の学習を進めることができます。
発音
発音の学習が重要な理由は3つです。
発音学習が重要な理由①:英語には日本語にない音がある
英語には日本語にない音が含まれます。
例えば、日本語ではラ行は1種類ですが、英語では<la>と<ra>のように、lの発音とrの発音は区別されます。
他にもhutとhatはどちらも「ハット」というカタカナになりますが、英語での発音は異なります。
脳には、聞こえてきた音をもともと知っている音に当てはめて判断する、という性質があります。
例えば、hutとhatはどちらも違う音ですが、日本語には「ハット」は1種類の音しか存在しないため、hutもhatもどちらも同じ音だと認識してしまうのです。
そこで、英語特有の音のパターンを頭に入れておけば、「今の『ハット』はhutとhatのどっちだろう?」と区別しようとします。
聞き慣れてくると、徐々にどっちの音かが分かるようになってきます。
このように、日本語にない音も含めて、英語の発音をはじめに体系的に学習しておくことで、「これは日本語にはないあの音かな?」「これはあの発音のルールによってこんな聞こえ方になっているんだ」というような理解ができ、ネイティブのように大量の英文を聞く中で発音の違いを徐々に定着させていくよりは、はるかに効率よく応用学習ができます。
発音学習が重要な理由②:SpeakingとListening学習の効率がアップする
発音の知識はSpeakingとListening学習にダイレクトに役立ちます。
「自分で発音できる音は聞き取ることができる」というのがListening学習において重要な心構えです。
正しい発音で英文を声に出すという訓練をすることで、Speaking力にはもちろん、Listening力の向上にも大きく役立ちます。
日本語の英語学習はReadingとWritingが中心であり、発音を体系的に学ぶ機会はあまりありません。
その状態でやみくもにListeningやSpeakingの学習をしたところで、効率は悪くなってしまいます。
ですので、英語学習の最初の段階で発音を学んでおくことで、その後の学習の効率を格段に上げることができるようになります。
発音学習が重要な理由③:シャドーイング訓練の下地になる
本サイトでは、シャドーイング(詳しくは<シャドーイングの効果とやり方>ページへ>訓練を取り入れることをおすすめしています。
シャドーイングとは、聞こえてくる音声の1~2語(0.5~1秒)後に続けて英語を発音していく訓練です。
この訓練をすることで、英語の発音が矯正されたり、英語のまま(日本語に訳すことなく)考える癖がついたりと、英語力が大きく向上していきます。
Reading, Listening, Speaking, Writingの応用訓練をする際に、このシャドーイングを中心に学習を進めることで、英語学習の効率ははるかに上がります。
そして、発音の知識がある状態でこのシャドーイングに取り組むと、より正確なReading, Listening, Speaking, Writingの力をつけていくことができます。
応用訓練=4技能(Reading, Listening, Speaking, Wwriting)
ここまでに紹介した基礎力をふまえて、英語の4技能の訓練をしていくことになります。
使用する教材は、各自が目指されている資格試験や受験用の問題集です。
メインに据えるべき学習法はシャドーイングです。
応用訓練に関する、各資格試験の学習方針はそれぞれのページでまとめています。
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基礎力=語彙・発音・文法&英文解釈
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