文型とは?
英語は、文の形で以下の5つのタイプに分けることができます。
〇 第1文型 SV
〇 第2文型 SVC
〇 第3文型 SVO
〇 第4文型 SVOO
〇 第5文型 SVOC
ある動詞の意味が分からなくても、文型が分かれば大体の意味が分かるというメリットがあります。
Music affords us much pleasure.
affordsという動詞の意味が分からなかったとしましょう。この文型は第4文型です(見分け方は後述)。第4文型の動詞は基本的に「与える」という意味です。affordsに「与える」という意味を当てはめると、
「音楽は私たちにたくさんの喜びを<与える>」
となり意味がとれます。このように、文型を理解すると、それがそのまま応用力になります。
文の要素
以下の5つの記号を使って英文の形を分類していきます。ただ、後で紹介する<見分け方>が分かればいいので、下記の<SVOCMそれぞれの働き>は軽く確認するだけで問題ありません。
・S(主語)…「~は(が)」に当たる部分
・V(動詞)…主語の動作や状態を表す部分
・O(目的語)…他動詞の後に置かれる、「~を/~に」に当たる部分。「~を/~に」
以外の意味になる場合もある。
・C(補語)…動詞の後に置かれて、主語の説明をする部分。
ここで一度、<要素(SVOC)>と<要素ではないもの(M)>の違いを確認します。
・M(修飾語)…他の言葉を修飾(説明)する部分
[例1]I am happy. | 「私は幸せだ」 |
[例2]I am a happy man. | 「私は幸せな男だ」 |
[例1]のhappyはCになっています(見分け方は後述)。[例2]のhappyは名詞であるmanを修飾するM(修飾語)です。[例1]の文から要素になっているhappyが消えると、
I am happy.「私はです」
となり意味が通りません。一方、[例2]の文から要素ではないhappyが消えても、
I am a happy man.「私は男性だ」
となり、文として成立します。このように、SVOCは<なくなると文が成り立たなくなる大事な部分>、Mは<なくても文は成立するおまけの部分>という違いは意識しておいてください。
SVOCMという5つの記号を振りながら、英文の意味を取っていくことになります。
文型の見分け方①
第1文型 SV
SVの後にOやCがなければ第1文型です。
I am in Tokyo. |
I went to the park. |
<前置詞+名詞>は<形容詞>か<副詞>の働きで、ほとんどの場合でMになります。ここでは<in Tokyo>や<to the park>というまとまりでMです。
第2文型 SVC/第3文型 SVO
Vの後にある語がSとイコール関係にあればC、イコール関係になければOです。
[例1]I am Tom. | 「私はトムだ」 |
[例2]I know Tom. | 「私はトムを知っている」 |
例1の場合、<Tom>は <I>とイコールで結ぶことができる(<I=Tom>の関係)ので、<Tom>はCということになります。例2の場合、<Tom>と<I>は別の人であり、イコールで結ぶことはできない(<I≠Tom>の関係)ので、Oということになります。
第2文型 SVC→<S=C>の関係
第3文型 SVO→<S≠O>の関係
第4文型 SVOO/第5文型 SVOC
1つ目のOの後にある語が、そのOとイコール関係になければO、イコール関係にあればCです。
[例1]I made Tom a cake. | 「私はトムにケーキを作った」 |
[例2]I made Tom happy. | 「私はトムを幸せにした」 |
例1の場合、<a cake>は<Tom>とイコールで結ぶことはできない(<Tom ≠ a cake>の関係)ので<Tom>はOになります。例2の場合、<happy>は<Tom>とイコールで結ぶことができる(<Tom = happy>の関係)ので<Tom>はCとなります。
第4文型 SVOO → <O≠O>の関係
第5文型 SVOC → <O=C>の関係
文型の見分け方②
動詞によって使える文型が決まっています。特に出てくる動詞が比較的限られている、第2・4・5文型で使える動詞を優先的に覚えていきましょう。例えばmakeは第5文型でも使える動詞なので、makeが出てきたら「もしかしてOCが続くかも」と予測することが重要です。そして、以下で紹介する動詞は「その文型でしか使えない」という訳ではないことに注意してください。中にはすべての文型で使える動詞もあります。なので、例えばmakeが出てきたら「第5文型だ!」と決めつけるのではなく「第5文型かも!」と考えるようにしてください。
第2文型で使える動詞
第2文型は<S = C>の関係にあり、「SはCである」が基本的な意味です。
「~である」
be動詞が第2文型で使える動詞の代表です。ただ、be動詞は第1文型でも使えました。あらためてbe動詞の意味をまとめます。
~be動詞の意味~
1.第2文型「~だ(である)」
I am Tom. |
「私はトムだ」 |
2.第1文型「ある(いる)」
I am in Tokyo. |
「私は東京にいる」 |
「~のままである」
以下の動詞は「~のままである」という意味になります。
〇 keep C
The children kept quiet. |
「子供たちは静かなままだった」 |
〇 remain C
She remained silent. |
「彼女は黙ったままだった」 |
〇 stay C
You can’t stay young. |
「若いままでいることはできない」 |
〇 stand C
The door stands open. |
「ドアが開いたままだ」 |
「~になる」
以下の動詞は「~になる」という意味になります。
〇 become C
Tom became a teacher. |
「トムは教師になった」 |
〇 get C
It is getting cold. |
「寒くなってきている」 |
〇 turn C
Leaves turn red. |
「葉っぱは赤になる」 |
〇 come C
Dreams will come true. |
「夢は現実になるでしょう」 |
〇 go C
The milk went bad. |
「ミルクが悪くなった」 |
感覚系
まずは、視覚や嗅覚といった<感覚系>の動詞をまとめます。名詞が来る場合は前置詞のlike「~のように」やofが必要です。
〇 sound+形容詞/sound like+名詞「~のように聞こえる」
That sounds strange. | 「それは変に聞こえる」 |
That sounds like fun. | 「それはおもしろそうだ」 |
〇 look+形容詞/look like+名詞「~のように見える」
You look tired. | 「君は疲れているように見える」 |
The cloud looks like a bird. | 「雲が鳥のように見える」 |
〇 smell+形容詞/smell like+名詞「~のにおいがする」
This flower smells sweet. | 「この花は甘いにおいがする」 |
This flower smells like violets. | 「この花はスミレのにおいがする」 |
〇 taste+形容詞/taste like+名詞「~の味がする」
This cake tastes nice. | 「このケーキはよい味がする」 |
This tastes like caviar. | 「これはキャビアの味がする」 |
〇 feel+形容詞/feel like+名詞「~の感じがする」
I feel cold. | 「寒く感じる」 |
He feels like a fool. | 「彼がバカのように感じる」 |
次に、「~のように思われる」という意味の2つを取り上げます。
〇 seem C
He seems sick. |
「彼は病気であるように思われる」 |
〇 appear C
She appeared rich. |
「彼女はお金持ちのように思われた」 |
第4文型で使える動詞
第4文型の動詞は基本的に「与える」という意味です。1つ目のOと2つ目のOを入れ替えたときに出てくる前置詞が<to>か<for>かで大きく区別することができます。<to>が出てくるものは<give>や<send>など<相手がいないとできない動詞>、<for>が出てくるものは<buy>や<find>など<相手がいなくてもできる動詞>です。例えばgive「与える」やsend「送る」は相手がいないとできませんが、buy「買う」やfind「見つける」は必ずしも誰かに買ってあげたり、誰かに見つけてあげたりする必要はなく、自分のために買ったり見つけたりしてもいいはずです。このように<相手がいて初めて成立する動詞>は<to>、<相手がいてもいなくてもどっちでもいい動詞>は<for>と区別してください。
[toタイプ]give A B ⇔ give B to A
〇 give A B「AにBを与える」= give B to A
「トムは私にその本をくれた」 |
Tom gave me the book. |
= Tom gave the book to me. |
〇 send A B「AにBを送る」= send B to A
「メアリーは父に手紙を送った」 |
Mary sent her father a letter. |
= Mary sent a letter to her father. |
〇 teach A B「AにBを教える」= teach B to A
「彼らは彼に英語を教えている」 |
They teach him English. |
= They teach English to him. |
[forタイプ]buy A B ⇔ buy B for A
〇 buy A B「AにBを買ってあげる」= buy B for A
「私は彼にその本を買った」 |
I bought him the book. |
= I bought the book for him. |
〇 make A B「AにBを作ってあげる」= make B for A
「メアリーはトムにケーキを作った」 |
Mary made Tom a cake. |
= Mary made a cake for Tom. |
〇 find A B「AにBを見つけてあげる」= find B for A
「父が私に素敵な車を見つけた」 |
Father found me a nice car. |
= Father found a nice car for me. |
[ofタイプ]覚えるのは1つだけ!
〇 ask A B「AにBを尋ねる」= ask B of A
「トムは私に名前を尋ねた」 |
Tom asked me my name. |
= Tom asked my name of me. |
第5文型で使える動詞
第5文型は<O = C>の関係であり、「OをCにする(させる)」「OがCだと思う(言う)」という意味が基本です。
「OをCにする(させる)」タイプ
〇 make O C「OをCにする(させる)」
Mary made Tom happy. |
「メアリーはトムを幸せにした」 |
〇 name O C「OをCと名付ける」
Father named me Mary. |
「父は私をメアリーと名付けた」 |
〇 call O C「OをCと呼ぶ」
Mother call me Tom. |
「母は僕をトムと呼ぶ」 |
〇 keep O C「(意識的に)OをCのままにする」/ leave O C「(無意識で)OをCのままにする」
I kept the door open. | 「私はドアを(意識的に)開けたままにした」 |
I left the door open. | 「私はドアを(無意識で)開けたままにした」 |
※keepは<意識的>なので「わざと開けっ放しにした」というニュアンスになり、leaveは<無意識的>なので「閉め忘れた」というニュアンスになる。
〇 paint O C「OをCに塗る」
I painted my house black. |
「私は家を黒く塗った」 |
「OがCだと思う」タイプ
〇 think O C「OがCだと思う」
I thought him honest. |
「私は彼が正直だと思った」 |
〇 find O C「OがCだと思う(気づく)」
Mary found Tom kind. |
「メアリーはトムがやさしいと思った」 |
〇 believe O C「OがCだと信じる」
I believe the story true. |
「私はその話が本当だと信じている」 |
各文型で使われる動詞のおおまかな意味
第1文型 | SV | 行く・来る・いる・ある |
第2文型 | SVC | SはCである |
第3文型 | SVO | ー |
第4文型 | SVO1O2 | O1にO2を与える |
第5文型 | SVOC | OをCにする(させる) OがCだと思う(言う) |
動詞の正確な意味が分からなくても、文型が分かればその文の大まかな意味が分かります。第3文型以外の例文を見ていきましょう。第3文型は動詞によって意味がバラバラなので判断しづらいので、第3文型以外を意識してください。
第1文型「行く・来る・いる・ある」
第1文型で使われる動詞は「行く・来る・いる・ある」という意味になるものが多いです。
I made for the exit. | 「私は出口に向かった」 | 「私は出口に行った」 |
I got to Tokyo. | 「私は東京に到着した」 | 「私は東京に行った」 |
まず、<前置詞+名詞>はMになります。例文では<for the exit>と<to Tokyo>がMにあたります。つまり、これらの例文は第1文型ということになります。第1文型で使われる動詞は「行く・来る・いる・ある」という意味になるものが多いです。そこで、これらの例文の<made>や<got>を「行く・来る」に置き換えて訳してみましょう。「私は出口に行った」「私は東京に行った」となり意味が通ります。このように<make for「~に向かう」>や<get to「~に到着する」>という熟語を知らなくても、第1文型であることが分かれば大体の意味が分かります。
The man lived in the village. | 「その男はその村に住んでいた」 | 「その男はその村にいた」 |
The house stands on the hill. | 「その家は丘に建っている」 | 「その家は丘にある」 |
これらも先ほどの例文と同じく、<in the village>と<on the hill>がMにあたる、第1文型の文です。これらの例文の<lived>や<stands>を「いる・ある」に置き換えて訳してみましょう。「その男はその村にいた」「その家は丘の上にあった」となり意味が通ります。
第2文型「SはCである」
第2文型は「SはCである」という意味が基本です。<S = C>の関係があります。
The story proved true. | 「その話は本当だと分かった」 | 「その話は本当だった」 |
The dish tasted good. | 「その料理はおいしかった」 | 「その料理はよかった」 |
<the story = true><the dish = good>という関係から第2文型と分かります。これらの例文の<proved><tasted>を無視して、すべて「SはCである」に当てはめて訳してみてください。そうすると「その話は本当だった」「その男は先生だった」「その料理はよかった」となり、大まかな意味をとることができます。
第4文型「O1にO2を与える」
第4文型SVO1O2は「O1にO2を与える」という意味が基本です。<O1 ≠ O2>という関係です。
The man sent me a letter. | 「その男性は私に手紙を送った」 | 「その男性は私に手紙をくれた」 |
Tom found Mary a book. | 「トムはメアリーに本を見つけてくれた」 | 「トムはメアリーに本をくれた」 |
Mary made him a cake. | 「メアリーは彼にケーキを作ってくれた」 | 「メアリーは彼にケーキをくれた」 |
<me ≠ a letter><Mary ≠ a book><him ≠ a cake>という関係から、第4文型<SVOO>ということが分かります。仮にsentやfound, madeという動詞の意味が分からないとしても、動詞の部分に「与える」という意味を当てはめて訳すと意味がとれます。
第5文型「OをCにする(させる)・OがCだと思う(言う)」
第5文型SVOCは「OをCにする(させる)・OがCだと思う(言う)」という意味が基本です。<O = C>の関係にあります。
Mary made me happy. | 「メアリーは私を幸せにした」 |
Tom drove Mary crazy. | 「トムはメアリーをおかしくさせた」 |
<me = happy><Mary = crazy>という関係から第5文型だと分かります。仮にmadeやdroveの意味が分からないとしても「させる」という意味をあてはめて訳すと全体の意味がとれます。
I found the book interesting. | 「私はその本が面白いと思った」 |
I think him honest. | 「私は彼が正直だと思う」 |
<the book = interesting><him = honest>という関係から第5文型と分かります。仮にfoundやthinkが分からないとしても「思う」という意味を当てはめて訳すと全体の意味がとれます。
SVOCMと品詞の関係
SVOCMと品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞)の間には明確な関係があります。
[第1文型] I went to the park. | 「私は公園に行った」 |
[第2文型] I am Tom. | 「私はトムだ」 |
[第3文型] I know Tom. | 「私はトムを知っている」 |
[第4文型] The woman gave me a book. | 「その女性が私に本をくれた」 |
[第5文型] The woman made me happy. | 「その女性が私を幸せにした」 |
慣れるまではややこしいですが、避けては通れない部分なのでスルーせずに繰り返し見てください。まず、S(主語)の位置に置くことができるのは名詞です。例文では<I>や<the woman>です。V(動詞)の位置に置くことができるのは動詞です。O(目的語)の位置に置くことができるのは名詞です。例文では<Tom><me><a book>が置かれています。C(補語)の位置に置くことができるのは名詞か形容詞です。例文では名詞である<Tom>と形容詞である<happy>が置かれています。そして、副詞は必ずM(修飾語)になります。<前置詞+名詞>もほとんどの場合がM(修飾)なので、<前置詞+名詞>をみたらMだと判断するようにしてください。以下にまとめますので、「なぜ主語は名詞なのか?」みたいな細かいことは考えず(考えても無駄です!)、「主語は名詞!」や「名詞はSかOかC!」のように反復して暗記してください。
〇 SOCMの位置に置くことができる品詞は?
・Sに置くことができるのは?→名詞
・Oに置くことができるのは?→名詞
・Cに置くことができるのは?→名詞か形容詞
・Mに置くことができるのは?→形容詞か副詞
〇 それぞれの品詞がおける場所は?
・名詞を置くことができるのは?→SかOかC
・形容詞を置くことができるのは?→CかM
・副詞を置くことができるのは?→M
・<前置詞+名詞>を置くことができるのは?→M
→演習問題文型①
→演習問題文型②
→演習問題文型③
→演習問題文型④