英検学習の全体の流れをまとめました。参考にしていただけると幸いです。
まず、どの資格を目指すとしても、<基礎力(語彙・文法・発音)→応用力(Reading, Listening, Speaking, Writing)>という本質的な流れは同じです。
この<基礎力→応用力>という内容はこのサイトのホームで述べましたが、ここではそれを英検に当てはめながら、学習全体の流れをご紹介していきます。
では早速、結論から。
①基礎力を鍛える
【語彙】英検用の単語帳(もしくはそれと同レベルの単語帳)
【文法&英文解釈】各級に合わせたレベルの文法力(英検3級=中学レベル/英検準2級=高校初級レベル/英検2級以上=高校卒業レベル)
【発音】発音の知識を短期間で集中的に学習する
②応用力を鍛える
・reading & listening…過去問
・writing & speaking…スピーキング・ライティング用の参考書+過去問
まとめると、「基礎である語彙、文法、発音を固めたうえで、過去問を中心に反復していき、必要に応じて各技能に特化した問題集に取り組む」ということです。
全レベル共通
発音の知識
発音の知識はリスニングやスピーキング力に直接的に影響をしてきます。
体系的に学んだことがない場合は、一通り発音の知識を学んでおいた方が、今後の英語学習を効率的に進めることができます。
少なくとも数日あれば、一通りの学習を終わらせることができます。
まずはこのサイトで英語の発音の全体像をつかんでみてください。
そして、発音に関する参考書で、実際に声に出しながら学んでいきます。
過去問の取り組み方
時間を測るか無制限で解くか
時間無制限で解くことで、失点の原因が英語力なのか、スピードなどの処理能力なのかを判断することができます。
時間無制限で解いてもなお分からないものは、例えば単語などの知識がなかったり、そもそも聞いたこともない話が書かれていて全くついていけなかったりと、そもそも英語の勉強量が足りていないということになります。
逆に、時間無制限では解けるけど、制限時間を意識すると得点率が落ちるという場合、スピードなどの処理能力が原因である可能性があります。
できない原因が、語彙や文法などの英語的な知識である場合は、それらを固めることを優先します。
処理速度が原因である場合は、そもそも英語に慣れていく必要がありますが、時間を解答スピードや読むスピードなども、ここで述べる通常の学習を続けていけば確実に速くなります。
まとめて解くか分割して解くか
スピードではなく英語力自体を上げなければならなかったり、部活や学校、仕事の関係で、まとめて解く時間が確保しづらかったりする場合は分割して進めます。
分割して進める場合、語彙問題とライティング問題はそれぞれの問題集で対策をするので手は付けず、リーディングとリスニングの問題にのみ取り組みます。
そして、試験が近づいてきたら時間配分を確認するために、1回分まとめて解きます。
最初からまとめて1回分解く場合も、復習の時間は確保します。
例えば、日曜日に1回分まとめて解いたら、月曜日~土曜日はその復習に充てるようにします。
もちろん、各自のペースに合わせて調整していって構いません。
復習が最重要
解いて答え合わせをして終わるという学習方法は極めて効率が悪いやり方です。
どのセクションも、必ず復習に重きをおいてください。
例えば「新しい問題を解くか、前回分を復習するか、どちらか一方の時間しかとれない」という状況になったとすると、迷いなく「復習」を選びます。
各技能の学習方法
リーディングの学習方法
手順①:解いた後に、解答、解説、和訳を見て分からない部分をなくす
手順②:英文だけで繰り返し読み込む
まずは、英文の中で分からないところをなくします。
その後に、英語だけで繰り返し読みます。
文字をなぞるだけでなく、意味も考えながら読みます。
例えば<I am happy.>という英文を見てください。
わざわざ日本語に訳さなくても意味が分かったんじゃないでしょうか?
これは何回も<I am happy.>という文を見てきたからです。
このように、意味を考えながら繰り返し同じ英文を読むことで、日本語を介さずに意味が分かるようになります。
この<意味が分かっている英文を読み込む>という学習法を続けることで、日本語で考えなくても分かる英語が増えていき、結果的に読むスピード、理解するスピードが上がっていきます。
解いて答え合わせで終わらずに、必ずこの<読み込み>で仕上げてください。
目安は1つの文章につき5~30回くらいです。
難易度に応じて前後して構いません。
例えば、ものすごく簡単に感じる英文は0~3回でいいですし、難しいと感じた英文は数十回を目標とします。
そして、<3回×5日>というように、複数日に分けてこなすようにします。
リスニングの学習方法
手順①:文字を見て何と言っているかわからないところをなくす
手順②:シャドーイングで仕上げる
解いた後に、文字を見て何と言っているかわからないところをなくします。
その後に、シャドーイングで仕上げます。
まずは、文字を見ながら音声に少し遅れて声に出して読んでいきます。
これを反復して、スラスラ言えて英語だけで意味が分かるようになったら、今度は文字を見ずに音声に少し遅れて声に出します。
こなす回数の目安ですが、問題の内容が日常会話であり、普段の会話やスピーキングで使えそうなフレーズは、スピーキングを意識して、暗唱できるくらいまで反復します。
逆に、空港でのアナウンスやインタビュー、ラジオのニュースなどは、自分で言えるようにする必要はないため、隅々まで聞き取れるようになったら終了とします。
リーディングと同じように、<解いて答え合わせをする>という作業を繰り返しても、極めて効率が悪いです。
リスニングは、必ずこのシャドーイングで反復して仕上げるようにしてください。
ライティングの学習方法
手順①:英作文の型を覚える
手順②:模範例文を暗記する
手順③:問題集のテーマに沿って自分で書いて添削を受ける
手順①:英作文の型を覚える
英作文を作るうえでは、<主張段落→理由+具体例段落→結論段落>というような方が存在します。
各級ごとに紹介する参考書で解説されている型を身につけてください。
このサイトのページも参考にしてみてください。
手順②:模範例文を暗記する
参考書についている模範解答の文章をできる限りそのまま覚えます。
インプットがないままにいきなり文章を書こうとする方もいるのですが、極めて非効率的です。
文法的には正しくても不自然な英文になったり、そもそも知らないと書けない(いくら考えても思い浮かばない)英語があったりするからです。
例えば、「環境にやさしい」は<environmentally friendly>というように<friendly>が使われます。こういったものは知らなければ書きようがありません。
まずは、インプットの割合を多くして、いろんな表現を覚え込み、本番はできる限りそのまま使うべきです。
手順③:問題集のテーマに沿って自分で書いて添削を受ける
アウトプットの練習です。
手順②で覚え込んだフレーズや英文を使いつつ、自分の力で作文をしていきます。
この際、書きたくてもどう書けばいいか分からないものは調べつつ完成させます。
その後、ネイティブの知人にチェックしてもらったり、オンライン英会話などで添削を受けて、OKが出たら、それをいつでも書けるように覚え込みます。
そして、本番までにできる限りの数をこなしていきます。
スピーキングの学習方法
手順①:英作文の型を覚える
手順②:模範例文を暗記する
手順③:問題集のテーマに沿って自分で書いて添削を受ける
ライティング同様、スピーキングもまずはインプットを意識します。
問題集をいきなり解こうとするのではなく、問題集についている解答例をシャドーイングで反復してスラスラ言えるようにします。
すぐに言えるネタがたまっていくほどに、言いたいときに言いたいことが言え、英語が話せるということになっていきます。
手順①&②:分からないところをなくしてシャドーイング
スピーキング教材の模範例文をシャドーイングして覚え込みます。
この際、例えば「私はラッキョウが好きです」のような極端すぎるもの、自分では使わないであろうフレーズは省いても構いません。
まずは、英文を見ながら音声に少し遅れて発音します。
スラスラ言えて英語だけで意味が理解できるようになったら、英文を見ずにシャドーイングを繰り返します。
最終的には一分ごとに停止して、その一文がまるまる言えたらゴールです。
手順③:自己紹介など模範英文にはない自分特有の情報を言えるようにする
手順②で発話することに慣れてきたら、模範例文にはない自分特有の情報、例えば自己紹介や出身地、好きな食べ物や映画、趣味なども言えるようにしていきます。
自分が作った英文が正しいか自信がない場合は、ネイティブの知人に見てもらったり、オンライン英会話などで添削を受けたりします。
学習法まとめ
語彙:単語帳や熟語帳
リーディング&リスニング:リーディングは読み込み、リスニングはシャドーイングで反復
ライティング&スピーキング:問題集の模範英文を暗記したりして書ける(言える)英語を増やすインプットを優先しつつ、定期的にアウトプットをして添削をしてもらう。