【中学英文法・高校受験英文法解説】不定詞①~名詞用法・形容詞用法・副詞用法~

不定詞の形:to+動詞の原形

不定詞の形は<to+動詞の原形>となり、動詞部分は必ず原形になります(3単現のsがついたり、過去形になったりしない)。このように動詞にtoをつけると、動詞ではなく<名詞・形容詞・副詞>として使えるようになります。<名詞>として使う例を見てみましょう。

I like this book.
「私はこの本が好きだ」
likeの後には名詞をおくことができる
【ダメな文】
I like play tennis.
likeの後に動詞はおけない
(「テニスをする好きだ」となり意味もおかしい)

likeの後に動詞をおきたい場合は、先ほど紹介した<to+動詞の原形>という形にします。

I like to play tennis.
「私はテニスをすることが好きだ」
to play tennisという形にすると名詞になるのでlikeの後における

このようにplay tennisをto play tennisという形にすることで名詞として使えるようになりま。そうすると、同じく名詞であるthis bookのように、likeの後に続けて置くことができるようになります。名詞として使う<to+動詞の原形>は「~すること」という意味になります。

注意したいのは<to+動詞の原形>の<動詞の原形>部分は、主語がどんな場合にも<原形>になる点です。

He listens music.「彼は音楽を聴く」
He likes to listen to music.
※不定詞toの後の動詞は必ず原形
「彼は音楽を聴くことが好きだ」
【ダメな例】
He likes to listens to music.

上記は名詞として使うパターンでしたが、他にも形容詞(名詞を修飾する)や副詞(名詞以外を修飾する)としても使うことができます。ここからそれぞれの用法を詳しく見ていきます。

名詞用法

<to+動詞の原形>という形にすることで名詞として使えるようになります。つまり、文中の名詞がおける場所におけるようになります。名詞として使う<to+動詞の原形>は「~すること」という意味になります。文中の名詞がおける場所は主語・目的語(=他動詞の後)・補語の位置(=主にbe動詞の後)ですが、そこにそのまま<to+動詞の原形>を置くことができます。

【主語】
This book is interesting.
【主語】には名詞がおける
To play tennis is interesting.
テニスをすることはおもしろい」
同じく<to+動詞の原形>がおける
【目的語】
I like this book.
likeの後には名詞がおける
I like to play tennis.「私はテニスをすることが好きだ」 同じく<to+動詞の原形>がおける
【補語】
This is a book.
be動詞の後には名詞がおける
My hobby is to play tennis.
「私の趣味はテニスをすることだ」
同じく<to+動詞の原形>がおける

<to+動詞の原形>とセットで使う動詞

・want to+動詞の原形 …「~したい」

・hope to+動詞の原形 …「~したい」

・wish to+動詞の原形 …「~したい」

・would like to+動詞の原形…「~したい」

・decide to+動詞の原形…「~することに決める」

・try to+動詞の原形…「~しようとする」

・start(begin) to+動詞の原形…「~し始める」

・like to+動詞の原形…「~することが好きだ」

・need to+動詞の原形…「~する必要がある」

・promise to+動詞の原形…「~することを約束する」

I want to play tennis.「私はテニスがしたい
I would like to drink some coffee.「私はコーヒーが飲みたい
Tom decided to study hard.「トムは一生懸命勉強することにした
Mary tried to open the window.「メアリーは窓を開けようとした
It started to rain.「雨が降り始めた
Jim likes to see movies.「ジムは映画を見ることが好きだ

形容詞用法

<名詞+to+動詞の原形>という形で前にある名詞を修飾して「Vする(という)名詞」 という意味になります。うまくつながらない場合は「するための」や「するべき」というような訳にしても構いません。形容詞の働きをするものは、2語以上の場合は後ろから修飾するので、形容詞の働きをする<to+動詞の原形>は必ず名詞の後に置きます。

I want something to drink.
「私は飲む物が欲しい」
to drinkはsomethingを後ろから修飾(説明)
This is the book to read on the train.
「これは電車で読む本だ」
to read on the trainはthe bookを後ろから修飾(説明)
I have a lot of work to do.
「私にはする仕事がたくさんある」
to doはworkを後ろから修飾(説明)
I have friends to help me.
「私には私を助けてくれる友達がいる」
to help meはfriendsを後ろから修飾(説明)

副詞用法

副詞の働きをする<to+動詞の原形>は名詞以外を修飾します。意味は「~するために」や「~して」など複数ありますが、ここでは基本の2つを押さえておいてください。

[目的]~するために

I went to the park to play tennis. 「私はテニスをするために公園に行った」
Mary went the library to study.「メアリーは勉強するために図書館に行った」

※副詞は名詞以外を修飾するが、副詞用法であるto play tennisは動詞であるwentを修飾している。

また、Why~?の疑問文に対して<To+動詞の原形~.>で答える場合もある。

Why are you here?
To study English.
「あなたはなぜここにいるの?」
ー「英語を勉強するためです」

[感情の原因] 「Vして~」

<感情を表す形容詞+to+動詞の原形>となっていたら「~して…」という意味になります。

I am happy to see you. 「私はあなたに会えてうれしい

※副詞は名詞以外を修飾するが、副詞用法であるto see youは形容詞であるhappyを修飾している。

・ be glad to+動詞の原形「~してうれしい」

・ be happy to+動詞の原形「~してうれしい」

・ be sad to+動詞の原形「~して悲しい」

・ be angry to+動詞の原形「~して怒っている」

・ be sorry to+動詞の原形「~して残念だ/~してすまなく思う」

・ be surprised to+動詞の原形「~して驚いている」

意味上の主語

<for+A+to+動詞の原形>という形にすると「Aが~する」という意味になります。<for+A>は<to+動詞の原形>に対する意味の上での主語(「~が」に当たる言葉)なので、意味上の主語と呼びます。

〇 for A toV

「[名詞用法]AがVすること/[形容詞用法]AがVする<名詞>/[副詞用法]AがVするための」

【名詞用法】
For you to study hard is important.
あなたが一生懸命勉強することは大切だ」
※名詞用法なので「Aが~すること」という意味になっている。
【形容詞用法】
This is a book for me to read on the train.
「これは私が電車で読む本だ」
※形容詞用法なので「Aが~する<名詞>」という意味になっている。
【副詞用法】
I work hard for her to live happily.
「私は彼女が幸せに暮らすために一生懸命働く」
※副詞用法なので「Aが~するために」という意味になっている。

不定詞の否定

<not+to+動詞の原形>や<never+to+動詞の原形>というように、<否定語+to+動詞の原形>という形にすると否定の意味になります。という形にすると否定の意味になります。

【肯定】
I decided to go there.
「私はそこに行くことに決めた」
【否定】
I decided not to go there.
「私はそこに行かないことに決めた」

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