不定詞の形:to+動詞の原形
不定詞の形は<to+動詞の原形>となり、動詞部分は必ず原形になります(3単現のsがついたり、過去形になったりしない)。このように動詞にtoをつけると、動詞ではなく、<名詞・形容詞・副詞>として使えるようになります。<名詞>として使う例を見てみましょう。
I like this book. 「私はこの本が好きだ」 | likeの後には名詞をおくことができる |
【ダメな文】 I like play tennis. | likeの後に動詞はおけない (「テニスをする好きだ」となり意味もおかしい) |
likeの後に動詞をおきたい場合は、先ほど紹介した<to+動詞の原形>という形にします。
I like to play tennis. 「私はテニスをすることが好きだ」 | to play tennisという形にすると名詞になるのでlikeの後における |
このようにplay tennisをto play tennisという形にすることで名詞として使えるようになります。そうすると、同じく名詞であるthis bookのように、likeの後に続けて置くことができるようになります。名詞として使う<to+動詞の原形>は「~すること」という意味になります。
注意したいのは<to+動詞の原形>の<動詞の原形>部分は、主語がどんな場合にも<原形>になる点です。
He listens music. | 「彼は音楽を聴く」 |
↓ | |
He likes to listen to music. ※不定詞toの後の動詞は必ず原形! | 「彼は音楽を聴くことが好きだ」 |
【ダメな例】 He likes to listens to music. |
上記は名詞として使うパターンでしたが、他にも形容詞(名詞を修飾する)や副詞(名詞以外を修飾する)としても使うことができます。ここからそれぞれの用法を詳しく見ていきます。
名詞用法
<to+動詞の原形>という形にすることで名詞として使えるようになります。つまり、文中の名詞がおける場所におけるようになります。名詞として使う<to+動詞の原形>は「~すること」という意味になります。文中の名詞がおける場所は主語・目的語(=他動詞の後)・補語の位置(=主にbe動詞の後)ですが、そこにそのまま<to+動詞の原形>を置くことができます。
【主語】 This book is interesting. | 【主語】には名詞がおける |
To play tennis is interesting. 「テニスをすることはおもしろい」 | 同じく<to+動詞の原形>がおける |
【目的語】 I like this book. | likeの後には名詞がおける |
I like to play tennis.「私はテニスをすることが好きだ」 | 同じく<to+動詞の原形>がおける |
【補語】 This is a book. | be動詞の後には名詞がおける |
My hobby is to play tennis. 「私の趣味はテニスをすることだ」 | 同じく<to+動詞の原形>がおける |
〇 <to+動詞の原形>とセットで使う動詞
・want to+動詞の原形 …「~したい」
・hope to+動詞の原形 …「~したい」
・wish to+動詞の原形 …「~したい」
・would like to+動詞の原形…「~したい」
・decide to+動詞の原形…「~することに決める」
・try to+動詞の原形…「~しようとする」
・start(begin) to+動詞の原形…「~し始める」
・like to+動詞の原形…「~することが好きだ」
・need to+動詞の原形…「~する必要がある」
・promise to+動詞の原形…「~することを約束する」
I want to play tennis. | 「私はテニスがしたい」 |
I would like to drink some coffee. | 「私はコーヒーが飲みたい」 |
Tom decided to study hard. | 「トムは一生懸命勉強することにした」 |
Mary tried to open the window. | 「メアリーは窓を開けようとした」 |
It started to rain. | 「雨が降り始めた」 |
Jim likes to see movies. | 「ジムは映画を見ることが好きだ」 |
形容詞用法
<名詞+to+動詞の原形>という形で前にある名詞を修飾して「Vする(という)名詞」 という意味になります。うまくつながらない場合は「するための」や「するべき」というような訳にしても構いません。形容詞の働きをするものは、2語以上の場合は後ろから修飾するので、形容詞の働きをする<to+動詞の原形>は必ず名詞の後に置きます。
I want something to drink. 「私は飲む物が欲しい」 | to drinkはsomethingを後ろから修飾(説明) |
This is the book to read on the train. 「これは電車で読む本だ」 | to read on the trainはthe bookを後ろから修飾(説明) |
I have a lot of work to do. 「私にはする仕事がたくさんある」 | to doはworkを後ろから修飾(説明) |
I have friends to help me. 「私には私を助けてくれる友達がいる」 | to help meはfriendsを後ろから修飾(説明) |
副詞用法
副詞の働きをする<to+動詞の原形>は名詞以外を修飾します。意味は「~するために」や「~して」など複数ありますが、ここでは基本の2つを押さえておいてください。
[目的]~するために
I went to the park to play tennis. | 「私はテニスをするために公園に行った」 |
Mary went the library to study. | 「メアリーは勉強するために図書館に行った」 |
※副詞は名詞以外を修飾するが、副詞用法であるto play tennisは動詞であるwentを修飾している。
また、Why~?の疑問文に対して<To+動詞の原形~.>で答える場合もある。
Why are you here? ーTo study English. | 「あなたはなぜここにいるの?」 ー「英語を勉強するためです」 |
[感情の原因] 「Vして~」
<感情を表す形容詞+to+動詞の原形>となっていたら「~して…」という意味になります。
I am happy to see you. | 「私はあなたに会えてうれしい」 |
※副詞は名詞以外を修飾するが、副詞用法であるto see youは形容詞であるhappyを修飾している。
・ be glad to+動詞の原形「~してうれしい」
・ be happy to+動詞の原形「~してうれしい」
・ be sad to+動詞の原形「~して悲しい」
・ be angry to+動詞の原形「~して怒っている」
・ be sorry to+動詞の原形「~して残念だ/~してすまなく思う」
・ be surprised to+動詞の原形「~して驚いている」
意味上の主語
<for+A+to+動詞の原形>という形にすると「Aが~する」という意味になります。<for+A>は<to+動詞の原形>に対する意味の上での主語(「~が」に当たる言葉)なので、意味上の主語と呼びます。
〇 for A toV
「[名詞用法]AがVすること/[形容詞用法]AがVする<名詞>/[副詞用法]AがVするための」
【名詞用法】 For you to study hard is important. | 「あなたが一生懸命勉強することは大切だ」 ※名詞用法なので「Aが~すること」という意味になっている。 |
【形容詞用法】 This is a book for me to read on the train. | 「これは私が電車で読む本だ」 ※形容詞用法なので「Aが~する<名詞>」という意味になっている。 |
【副詞用法】 I work hard for her to live happily. | 「私は彼女が幸せに暮らすために一生懸命働く」 ※副詞用法なので「Aが~するために」という意味になっている。 |
不定詞の否定
<not+to+動詞の原形>や<never+to+動詞の原形>というように、<否定語+to+動詞の原形>という形にすると否定の意味になります。という形にすると否定の意味になります。
【肯定】 I decided to go there. | 「私はそこに行くことに決めた」 |
【否定】 I decided not to go there. | 「私はそこに行かないことに決めた」 |