不定詞の基本は不定詞①で学習しました。ここではそれに追加する形で、覚えておくべき構文を確認していきます。
名詞用法の構文
形式主語構文
まず<to+動詞の原形~>は主語の位置に置くことができることを思い出してください。
To play tennis with friends is a lot of fun. | 「友達とテニスをすることはとても楽しい」 |
ただ、こうすると主語が長くなります。もちろん正しい形ではありますが、英語は長いものを後回しにするという傾向があり、そこから以下のような形にもなります。
It is a lot of fun to play tennis with friends. |
to play tennis with friendsという長めの主語をitに置き換えることで、主語がすっきりしました。このitは形を整えるために置いたitなので、<形式主語のit>や<仮主語のit>という呼び方をします。
そして、もともとあったto play tennis with friendsを最後に置きます。こちらが本物の主語なので、<形式主語のit>に対して<真主語>と呼びます。
仕組みを説明しましたが、最終的には以下の構文として覚えておいてください。
〇It is~+(for A)+ to+動詞の原形….「(Aが)…することは~だ」
※<to+動詞の原形>の部分を、itに代入して訳す。
※it自体に訳はない
※<for A>の部分は意味上の主語。忘れている場合はクリックして復習してください。
※<~>部分によく使われる形容詞は次の通り。
It is impossible to finish this work in time. ↑<to+動詞の原形~>部分をitに代入して訳をする | 「この仕事を時間内に終わらせることは不可能だ」 |
It is important for you to study English. | 「あなたが英語を勉強することは重要だ」 |
It is easy to read this book. | 「この本を読むことは簡単だ」 |
It is hard for Mary and Tom to come here on time. | 「トムとメアリーがここに時間通りに来ることは難しい」 |
動詞+A+to+動詞の原形
動詞の中には<A+to+動詞の原形~>という形を続けることができる動詞が決まっています。ここは覚える必要があります。
〇 tell A to+動詞の原形「Aに~するよう言う」
My mother told me to study hard. 「私の母は私に一生懸命に勉強するよう言った」
〇 ask A to+動詞の原形「Aに~するよう頼む」
I asked him to come here on time. 「私は彼に時間通りにここに来るよう頼んだ」
〇 want A to+動詞の原形「Aに~してもらいたい」
I want them to read this book. 「私は彼らにこの本を読んでもらいたい」
〇 wish A to+動詞の原形「Aに~してもらいたい」
I wish Mary and Tom not to go there.「私はメアリーとトムにそこに行かないでほしい」
※<not+to+動詞の原形>という形にすると不定詞の否定になる。
〇 would like A to+動詞の原形「Aに~してもらいたい」
They would like me to clean this room.「彼らは私にこの部屋を掃除してもらいたがっている」
疑問詞+to+動詞の原形
<疑問詞+to+動詞の原形>という形で、必ず名詞として使います。
〇 what to+動詞の原形「何を~したらよいか/何を~すべきか」
I don’t know what to say. 「私は何と言ったらよいか分からない」
〇 what【名詞】+to+動詞の原形「何の【名詞】を~したらよいか/何の【名詞】を~するべきか」
He doesn’t know what car to buy. 「彼は何の車を買うべきか分からない」
〇 which+to+動詞の原形「どれ(どっち)を~したらよいか/どれ(どっち)を~すべきか」
She wants to know which to choose.「彼女はどっちを選んだらよいか知りたがっている」
〇 which【名詞】+to+動詞の原形「どの(どっちの)【名詞】を~したらよいか/どの(どっちの)【名詞】を~すべきか」
They want to know which book to read.「彼らはどっちの本を読むべきか知りたがっている」
〇 when to+動詞の原形「いつ~したらよいか/いつ~すべきか」
I don’t know when to go there. 「私はそこにいつ行くべきか分からない」
〇 where to+動詞の原形「どこで(へ)~したらよいか/どこで(へ)~すべきか」
Can you tell me where to buy the ticket.
「そのチケットをどこで買ったらよいか教えてもらえませんか?」
〇 how to+動詞の原形「どうやって~したらよいか/~する方法(やり方)」
You can learn how to play the guitar. 「あなたはギターの弾き方を学ぶことができる」
形容詞用法の構文
~thing+形容詞+to+動詞の原形
まず前提として、somethingなどの<~thing>、someoneなどの<~one>、somebodyなどの<~body>系の単語に形容詞が続く場合は必ず後ろから修飾します。
something cold | 「冷たいもの」 |
somebody important | 「大切な人」 |
さらにそこに<to+動詞の原形>が続く場合、<something+形容詞+to+動詞の原形>という語順になります。
something hot to drink | 「温かい飲み物」 |
something interesting to read | 「面白い読み物」 |
これは形式主語構文と同じく、長いものを後ろに回すために、1語の<hot>や<interesting>よりも2語の<to drink>や<to read>が後に来ていると理解するとよいです。
副詞用法
too~to…
<too~to…>は「~すぎて…できない」という意味ですが、従属接続詞②で学習した<so~that…>を使って書き換えることができます。
〇 too~ (for A) to+動詞の原形…「~すぎて(Aは)…できない/(Aが)…するには~すぎる」= so~that S can’t V…「とても~すぎてSはVできない」
I was too tired to walk.「私は疲れすぎていて歩けなかった/私は歩くには疲れすぎていた」
= I was so tired that I couldn’t walk.
「私はとても疲れていたので歩けなかった/私は歩けないほど疲れていた」
These boxes are too heavy to carry.
「これらの箱は重すぎて運べない/これらの箱は運ぶには重すぎる」
=These boxes are so heavy that I can’t carry them.
「これらの箱はとても重いので、私は運ぶことができなかった」
~enough to…
<~enough to…>は「…するほど(十分に)~」という意味ですが、こちらも従属接続詞②で学習した<so~that…>を使って書き換えることができます。
〇 ~enough (for A) to+動詞の原形…「(Aが)…するほど~だ」
= so~that S (can) V…「とても~なので…」
He was kind enough to show me the way. 「彼は私に道を教えてくれるほど親切だった」
= He was so kind that he showed me the way.
「彼はとても優しかったので、私に道を教えてくれた」
This book is easy enough for me to understand easily.
「この本は、私が簡単に理解できるほど簡単だ」
= This book is so easy that I can understand it easily.
「この本はとても簡単なので、私はそれを簡単に理解できた」
※例文において<enough>は<kind>や<easy>の後に置かれているように、<~enough to+動詞の原形>という形で後ろから修飾する点も重要です。<enough kind>や<enough easy>とすると誤りです。