TOEIC公式問題集をメインにする前に必要な前提知識
TOEIC公式問題集をメインに据える前に、基本的な語彙、文法&英文解釈が固まっている必要があります。
TOEICを学習する上での順番などは、以下のページを参考にしてください。
言い換えると、解いている時点では分からくても、解答解説や和訳を見ればなぜそれが正解なのか理解できる、という基礎力が必要です。
この段階に達していない場合、公式問題集をメインで使用すると、進度や効率が極端に遅くなります。
公式問題集に取り組んでみて「内容が重たく感じる」「解説を見てもついていけない」という場合はる場合は基礎力が不足しているので、最低限の語彙、文法&英文解釈を確認した上で、再度、公式問題集をメインに進めてみてください。
TOEIC公式問題集を使った学習の進め方
結論は以下の通りです。
1.解いて丸付け→解答解説と和訳を見て、できなかった原因とその対策方法を確認する
2.シャドーイングで読み込む
よく「公式問題集に手をつけるのはまだ早いか?」という質問が来ます。
問題を解く段階で分からなくても、答え合わせの段階で、和訳や解説を見て、なぜその答えが正解なのか、何が原因で間違えたのか、どういう学習をしていけば改善できるかが分かれば十分演習になります。
逆に、解説部分の文法用語が分からなかったり、そもそも分からない単語が多すぎて全く進まないという場合は、上記の基礎を先に固めるべきです。
そして、答え合わせの後に解説や和訳を見て分からないところをなくした上で、シャドーイングで反復をしていきます。
それぞれの段階のポイントを深掘りしていきます。
1.解いて丸付け→解答解説や和訳を見て確認
この段階では、ただ〇×をつけるだけではなく、間違えた原因を考えて、「何をすれば点数が伸びるのか」「自分に足りていないものは何か」を見極める必要があります。
例えば、単語や慣用表現が分からずに答えが出なかった場合は<知識>ということになります。
この場合、公式問題集に加えて、単語帳や文法問題集にも力を入れる必要があることになります。
一方、制限時間を無視すれば目標点に届くものの、制限時間内に抑えようとすると得点率が下がってしまうという場合は、英文への慣れが足りていないということになります。
その場合は、シャドーイング中心の復習をしながらできる限りの数の問題集を進めていくことになります。
2.シャドーイング
最も重要なポイントは最後のシャドーイングです。
解答解説を確認しただけで終わらせずに、定着するまでに何周か回す必要があります。その際に、シャドーイングを中心とした復習、反復をします。
公式問題集に限らずですが、問題集はシャドーイングで仕上げることを習慣にしていきます。
→参考)シャドーイングの効果とやり方
公式問題集にはリスニングセクションはもちろん、リーディングセクションも音声がついています。
定着のためには1回だけではなく、複数回取り組む必要があります。
- 【例1】日曜日に1回分を解き、次の日の月曜日から土曜日までで小分けしてシャドーイングを繰り返す。
- 【例2】日曜日に1回分を解き、月曜日から水曜日で反復して復習。木曜日に新たな1回分を解き、金曜日と土曜日で反復して復習。復習の際はシャドーイング中心。
シャドーイングによる復習は丁寧に行う必要があります。
復習がおろそかなまま新たな問題に入るよりは、時間がかかってもいいので復習をやり込んで新たな問題に入ります。
この手順でテスト3回分もやり込めば、かなり進歩を感じるはずです。
時間を図って解くか時間無制限で解くか
時間無制限で解いて分からない箇所は、英語の知識が足りないなど、英語力そのものを向上させる対策が必要で、時間無制限で解いたら分かるけど、時間内に解こうとすると点数が落ちるという場合は、シャドーイングなどを通して英語への慣れを強化する対策が必要です。
時間無制限で解いてみて、それでもなお分からない部分は、時間が原因というよりも、そもそもの英語力が足りていないと言えます。語彙などの知識が原因であれば単語帳で語彙力を強化する、などという方針になります。
時間無制限で解いたら目標点数、あるいは高得点に到達するが、時間を意識すると途端に点数が落ちるという場合、英文への慣れが足りていないことが原因ですので、シャドーイングを中心に反復していくことが有効です。
一度時間制限を設けて解いてみて、その後に解き終わっていない問題やもう少し考えたい問題を時間無制限で解いたうえで答え合わせをします。
その際に、英語力が足りていないのか、スピードや慣れが足りていないのかは区別して考えて、弱点に応じた対策をとることになります。
ただ、基本的には両方の対策が必要である可能性が高いので、基礎だけを固めたり、公式問題集にだけ取り組んだりするのではなく、単語帳や文法問題集などの基礎訓練を並行して知識を補いながら、問題集でシャドーイングを中心に反復して英語そのものに慣れていくという方針になると思います。
問題集に取り組んでみて、「単語が分からな過ぎて解いても力試しにすらならない」「解説や和訳見てもなんでそうなるのか全く理解できない」という場合は、基礎の確認を優先してください。
分割して解くか通しで解くか
分割して解く
1回分まとめて解く時間がない場合は分割して取り組みます。
- 【例1】日曜日にリスニングセクションを解いて月曜日~水曜日でシャドーイングによる復習、木曜日にリーディングセクションを解いて金曜日~土曜日でシャドーイングによる復習
- 【例2】Part1&2、Part3&4、Part5&6、Part7というように4日に分ける
この場合、その日の新たなPartに入る前に、必ず前回解いたPartの復習(間違えた問題の確認&シャドーイング)をします。
もし、復習と新しく解くPartの両方をその日にこなすことが困難であれば、必ず復習の方を優先させます。
復習しないまま先に進むと、1週間もしないうちに忘れてしまい、解いてないのと同じ状況に逆戻りしてしまいます。
まとめて解く
1回分を通しで解くために必要な集中力、体力、精神力、時間配分の感覚は、1回分通して解くことでしか鍛えることができません。
TOEICは1回の試験が2時間の長丁場なので、集中力を持続させる必要があります。
さらに、制限時間との戦いでもあります。
これらは、分割して解いているだけでは鍛えることができない能力です。
分割学習をメインにする場合も、1~2週間に1度、あるいは本番前は1回分を時間を意識して通しで解く日を作る必要があります。
ただし、しばらくはテストを受けずに英語力のみを鍛えていくという場合は、分割学習を続けます。そして、テストを受けることになったら、1回分まとめて解く日を増やしていきます。
最後に
公式問題集(に限らずその他の問題集も同様)による学習において最も重要なのは、シャドーイングによる仕上げです。
TOEICの難しさの1つに、リーディングセクションの分量が挙げられます。
ある程度量をこなしきるまでは「時間内に終わらない」という問題が常に生じ続けるはずです。
しかしこれは、語彙などの知識の定着とシャドーイングを続けることで必ず解決に向かいます。
知識が増えるほどに、そしてシャドーイングによって日本語を介さずに英語を英語で理解できるという箇所が増えるごとに、読むスピード、解くスピードは勝手に速くなっていきます。
TOEICの語彙と文法に問題がなくなった後は、公式問題集に限らず、その他の問題集も同様のやり方で取り組んでいきます。
① 公式問題集で学習をすすめる際は、必ずシャドーイングで仕上げる。
② 単語と文法の強化が必要な場合「金フレ」と「でる1000問」に毎日少しずつ取り組む。
③ ペースの例は以下を参考に。
【ペース例①】日曜日に1回分通しで解く。月曜から土曜を使ってシャドーイングを中心として復習を続ける。
【ペース例②】Part1&2、3&4、5&6、7と分割して、1週間で1回分を終わらせる。分割するやり方をメインに据える場合も、定期的に1回分をまとめて解いてみる。