所有格
今回は所有格です。これまで同様に2文を1文にまとめますが、あくまでもゴールは 「複数の種類がある関係代名詞の中から、関係代名詞の前後の形に合わせて正しいものを選べるようにすること」です。
先行詞 | 主格 | 所有格 | 目的格 |
人の場合 | who | whose | whom |
人以外の場合 | which | whose | whom |
人と人以外のどちらでもよい | that | ー | that |
~2文を1文にまとめる手順~
①代名詞を関係代名詞に変える。その時、先行詞と格に注意する。
②代名詞がもともと指している単語の後にくっつける。
I have a friend. | 「私には友達いる」 |
His father is a doctor. | 「彼の父は医者だ」 |
日本語を1文にまとめると、「私には、父が医者である友達がいる」となり、「彼の」の部分がなくなっています。では英語ではどうなるか?
まずは代名詞であるhisを関係代名詞に変えます。所有格なのでwhoseになります。
His father is a doctor. |
↓hisをwhoseに変える |
whose father is a doctor |
そしてこれをhisがもともと指していた単語(=先行詞)であるa friendの後にくっつけます。
I have a friend whose father is a doctor.
こうすることで<whose father is a doctor>のまとまりが<a friend>を修飾して「父が医者である友達」という意味になります。1文全体では「私には、父親が医者である友達がいる」という意味です。
<whose>は所有格であり<my>や<your>の仲間です。つまり<my pen>や<your house>が<所有格+名詞>の形になるように、<whose>も必ず<whose+名詞>の形になります。そして、<my>や<your>の後には<a(an)>や<the>が付いた名詞は置けません。
[ダメな例]
my a pen/your the car
同様に<whose>の後にも<a(an)>や<the><myなどの所有格>がついた名詞は置けません。
[ダメな例]
whose your father/whose the pen/whose an idea
まとめると、主格の後には必ず動詞が置かれたのに対して、whoseの後には<a(an)>や<the><myなどの所有格>がついていない名詞が置かれます。
逆に言えば、「<a(an)>や<the><myなどの所有格>がついていない名詞の前は何格?」と問われれば、<whose>が答えになる可能性が高いということです。もう1パターン見てみましょう。
先行詞が<人以外>の場合も<whose>を使います。
He has a book. | 「彼は本を持っている」 |
I don’t know its title. | 「私はそのタイトルを知らない」 |
まずは代名詞であるitsを関係代名詞に変えます。所有格なのでwhoseになります。whoseは<人>でも<人以外>でもどちらにも使えます。
I don’t know its title. |
↓itsをwhoseに変える |
I don’t know whose title. |
↓<whose+名詞>をセットで前に出す |
whose title I don’t know |
ここで注意したいのは最後の部分です。関係代名詞は2文をつなげる接着剤のようなものなので、くっつけたい2つ文の間、言い換えると<文の最初>に移動させなければなりません。
[ダメな例]
He has a book I don’t know whose title.
とすると<文+文+接着剤>という順番になってしまい、2つの文がくっつきません。そこでwhose titleを文の最初に移動させてwhose title I don’t knowとしてくっつけます。
He has a book whose title I don’t know.
とくっつけると、<文+接着剤+文>という順番になり、2つの文をくっつけることができます。
whose title I don’t knowというまとまりがa bookを修飾して、「私がタイトルを知らない本」という意味になります。1文全体では「彼は、私がタイトルを知らない本を持っている」となります。
再度確認すると、whoseの後には<a(an)>や<the><myなどの所有格>がついていない名詞が置かれます。逆に言えば、「<a(an)>や<the><myなどの所有格>がついていない名詞の前は何格?」と問われれば、<whose>が答えになる可能性が高いということです。
所有格の前後の関係
所有格に共通する意味は何でしょう?
my book | 私の本 |
your house | あなたの家 |
their son | 彼らの息子 |
答えはひらがなの<の>です。同じく所有格である<whose>も、前後にある名詞を<の>で結ぶことができる点も覚えておいてください。
I have a friend whose father is a doctor. | 「私には父が医者である友達がいる」 |
He has a book whose title I don’t know. | 「彼は私がタイトルを知らない本を持っている」 |
上記2文において、どちらも「友達の父親」「本のタイトル」というように<の>で前後の名詞を結ぶことができます。これは<whose>特有の働きです。