【中学英文法・高校受験英文法解説】関係代名詞⑤~その他の重要項目~

前置詞+関係代名詞

次の2文を関係代名詞①で学習した手順で1文にまとめてみましょう。

This is the house.「これは家だ」
I lived in it.「私はそれに住んでいた」

~2文を1文にまとめる手順~

①代名詞を関係代名詞に変える。その時、先行詞と格に注意する。

②代名詞がもともと指している単語の後にくっつける。

まず、日本語で1文にまとめると「これは私が住んでいた家だ」という意味になります。では、英語ではどうなるか?

I lived in it.
↓itをwhichに変えて文頭に出す
which I lived in

<which I lived in>で関係詞のまとまりになり、これを<the house>の後にくっつけて完成です。

This is the house which I lived in.「これは私が住んでいた家だ」

ここまでは関係代名詞①で学んだ手順と同じです。<which I lived in>というまとまりが<the house>という先行詞を修飾しています。

関係代名詞①で学んだことと異なる点は、前置詞の<in>の後の名詞が関係代名詞になっている点です。前置詞は<前置詞+名詞>というセットで用いるので、上記の例で<which>を前に出す際に<in>もいっしょに前に出すこともできます。

I lived in it
↓itをwhichに変えて、inと共に前に出す
in which I lived

これを<the house>の後につけて完成です。

This is the house in which I lived.「これは私が住んでいた家だ」

<in which I lived>というまとまりが<the house>という先行詞を修飾しています。

まとめると、<This is the house which I lived in.>という文と<This is the house in which I lived.>の2文は、1つ目の方が2つ目よりも口語的というニュアンスの違いはありますが、受験では同じ意味と考えて問題ありません。

<前置詞+名詞>の<名詞>が<関係代名詞>に変わる場合、<関係代名詞>のみを前に出す方法と、<前置詞+関係代名詞>をまとめて前に出す方法があり、どちらも同じ意味で用いるということがポイントです。

そして、<関係代名詞>のみが前に出る場合、thatを用いることもできますが、<前置詞+関係代名詞>がまとまって前に出る場合、thatを用いることはできません

This is the house.+I lived in it.
This is the house which I lived in.
This is the house that I lived in.
※whichの代わりにthatも使える
= This is the house in which I lived.
in thatとすることはできない!

限定用法と非制限用法

関係代名詞①で学習した関係代名詞の前にコンマをつける用法があります。関係代名詞①で見た、コンマがつかない用法を限定用法と言い、今回紹介するコンマがつく用法を非制限用法と言います。少し大げさに訳をして、それら2つの違いを確認しましょう。

【限定用法】
He has two daughters who are married.
「彼には結婚している娘が2人いる」
結婚している娘に限定すると2人いる」
【非制限用法】
He has two daughters, who are married.
「彼には2人の娘がいて、彼女たちは結婚している

【限定用法】は「結婚している娘に限定すると2人」という意味なので、「結婚していない娘もいる」というニュアンスが含まれています。一方で【非制限用法】は「娘は2人しかいないが、どちらも結婚している」というニュアンスになっています。

コンマがない場合は<【名詞】+関係代名詞+(S)V~>で「~する【名詞】」という意味になりますが、コンマがある場合は<,+関係代名詞+(S)V~>で「そして(しかし)~する」というように、「そして」や「しかし」でつなぐとうまくいきます。

She lent me a book, which I read carefully.「彼女は私に本を貸してくれ私は注意して読んだ」
「彼女は私に本を貸してくれた私は注意して読んだ」
I have a son, who is a doctor.「私には息子がい医者である」
「私には息子がいる医者である」

関係代名詞thatの使い方

関係代名詞のthatは<使えない場合>と<whichやwhoに優先して使う場合>があります。

関係代名詞thatが使えない場合

関係代名詞のthatは、<前置詞の後>と<コンマの後>では使えません。理由などは考えず、暗記してしまいましょう。

前置詞+関係代名詞

[正]  This is the house in which I lived.

]  This is the house in that I lived.

非制限用法(コンマの後)

[正]  I have a daughter, who is married.

]  I have a daughter, that is married.

関係代名詞のthatを用いなければならない場合

先行詞が<人+人以外>の場合

Look at the man and the dog that are running over there.
「向こうで走っている男性と犬を見て」

先行詞が<人>の場合は<who>か<that>、<人以外>の場合は<which>か<that>を用いることができますが、例文のように<人>と<人以外>の両方が含まれている場合は、どちらにでも使える<that>を用いる

先行詞に<all, every>などの「すべて」という意味の語、<no, little>などの「ない」という意味の語、<the only, the最上級, the same>などの<限定>を表す語がついていたり、先行詞が<everything , anything>などの<~thing>の場合。

I will do everything that will makes you happy.
「僕は君を幸せにすることは何でもする」
This is the only book that I find interesting.
「これは私が面白いと思う唯一の本だ」
That’s all that I want to say.
「それが私が言いたいことのすべてです/私が言いたいことはそれだけです」
Is there anything that you want to ask? 
「聞きたいことはありますか?」

この場合は、<that>が「好まれる」程度であり、<which>や<who>が使われる場合もあります。

関係代名詞what

先行詞が<thing(s)>の場合、関係代名詞の<that>や<which>とともに<what>一語で表すことができます。

「彼が言ったことを理解していますか?」
Do you understand the thing(s) which he says?
= Do you understand what he says?

関係代名詞の<which>や<that>は、前に先行詞である名詞が必要です。しかし、<what>には先行詞である<the thing(s)>が含まれているため、<what>の前には先行詞は必要ありません。以下のような問題が出題されます。

Do you understand (what / which) he says?

このような問題がある場合、先行詞の有無に注目してください。<which>は前に先行詞である<名詞>があるはずですが、ありません。先行詞が不要である<what>が正解だと判断します。

関係代名詞は<主格(=動詞の前に置く)>としても<目的格(=【主語+動詞】の前に置く)>としても使うことができます。

【主格(=動詞の前に置く)】
I did what is right.
「私は正しいことをした」
【目的格(=【主語+動詞】の前に置く)】
This is what I have wanted.
「これは私がずっとほしかったものだ」

さらに、<what~>のかたまりで名詞の働きです。つまり、文中の主語、目的語、補語の位置に置くことができます。

【主語の例】
What she said is true.
彼女が言ったことは本当だ」
【目的語の例】
I did what is right.
「私は正しいことをした」
【補語の例】
This is what I have wanted.
「これは私がずっとほしかったものだ」

・「(Sが)Vすること(もの)」という意味。

・<that>や<which>と違って、先行詞はあってはいけない。

・what (S) V~というかたまりで名詞の働き。文中の主語、目的語、補語の位置に置くこと

ができる。

演習問題へ