【中学英文法・高校受験英文法解説】冠詞/所有格~a(an)とtheの使い方/所有格の使い方~

冠詞とは?

冠詞は不定冠詞(a, an)と定冠詞(the)の2つで、どちらも名詞につけます。定冠詞(the)は<お互いに何のことを言っているか分かっている名詞>につけ、不定冠詞(a, an)は<何のことを言っているか、お互いに分かっているわけではない名詞>につけます

I have a book. The book is interesting. 「私は本を持っている。その本は面白い」

1回目に出てきた<a book>は、聞いている側にとっては初めての情報なので<a>がついています。2回目の<the book>は、聞いている側にとっても「今、君が言った、君が買った本のことね」と分かるので、<the>がついています。

I have a dog. The dog is cute. 「私は犬を飼っている。その犬はかわいい」

こちらも同様に、1回目に出てきた<a dog>は、聞いている側にとっては初めての情報です。2回目の<the dog>は「今、君が言った、君が飼っている犬のことね」と分かるので、<the>がついています。

a, an

a, anの意味

aを日本語にすると「ひとつの」や「ある」が主です。

I have a dog. 「私は一匹の犬を飼っている」
A dog is over there. ある犬が向こうにいる」

aではなくanになる場合

また、直後の単語の発音が母音(あいうえお)で始まる場合はaではな<an>になります。a, i, u, e, oの<文字>ではなく、アイウエオという<音>である点に注意してください。

an idea(イディア) 「ある考え」
an interesting book(ンタレスティング) 「おもしろい本」

the

theは<お互いに何のことを言っているか分かる名詞>につきます。日本語は「その」となることが多いです。<お互いに何のことを言っているか分かる名詞>の具体例を以下で見ていきましょう。

前に一度出てきたもの

I have a book. The book is interesting. 「私は本を一冊持っている。その本は面白い」

このthe bookはその前に出てきたa bookのことで、「今君が言った、君が持ってる本ね」と、何の本なのかが聞いている側も分かっているのでtheがついています。

状況的に分かるもの

Pass me the salt. (その)塩をとって」

このsaltもテーブルの上(目の前)にある塩のことであり、頼んでいる側も頼まれている側もどの塩のことが分かるのでtheがついています。

the sunやthe earthについて

少しややこしい話になります。結論はthe sun「太陽」、the earth「地球」、the moon「月」、the east「東」などの方角にはtheが必要ということです。

例えば「太陽」はthe sunというようにtheがつきます。これはなぜか。我々地球人(太陽系)にとっての太陽は1つしかありません。しかし、別の太陽系では別の太陽があります。つまり宇宙には太陽が複数存在しているということです。その中でも、我々地球人が言う「太陽」は、誰もが同じ1つの太陽をイメージするので、<お互いに何のことを言っているか分かる>ということでtheがつきます。

同じく「地球」もthe earthというようにtheがつきます。これはもともとearthは「土、地、地上」などといった意味があり、それが「地球」という意味になるときは、誰もが同じ1つの地球という惑星をイメージするので、<お互いに何のことを言っているか分かる>ということでtheがつきます。

the moon「月」も同様です。moonはそもそも「衛星(惑星の周りをまわる星)」という意味であり、それが「月」という意味で使われるときは、誰もが同じ1つの月をイメージするので、<お互いに何のことを言っているか分かる>ということでtheがついています。ただ、これはたくさんあるわけではないので、the sun「太陽」、the moon「月」、the earth「地球」の3つはtheが必要という点は覚えてしまう方がよいです。

名詞につけるときのつけ方

aやtheは名詞につけるものですが、つけるときのルールがあります。

a(an)をつけていいとき

名詞は数えられる名詞と数えられない名詞に分かれることはすでに学習しました。このうち、数えられる名詞で、しかもその数が単数(1つ)のときはa(an)が付きます

[例]

a dog

an idea

a car

an interesting book

※dog, idea, car, bookは数えられる名詞で単数形

そして、複数(2つ以上)の場合はつけない

[例]

dogsa dogsは不可

interesting booksan interesting booksは不可

theをつけていいとき

theは数えられる名詞にも数えられない名詞にもつけることができます。さらに数えられる名詞の場合、単数形でも複数形でもつけることができます

the dog

the dogs

※theは単数形にも複数形にもつけてよい

the dog

the water

※theは数えられる名詞にも数えられない名詞にもつけてよい

a(an)やtheをつけない名詞

<人>や<国>など<世の中に1つしかないもの>を<固有名詞>と言います。<固有名詞>は<Tom>や<Japan>など大文字で始まります。<固有名詞>には<the>も<a(an)>もつけません。たとえば<the Japan>とすると「その日本」という意味になりますが、「他に日本ってあったけ?」となってしまいます。<the>は<station>や<man>など、世の中に複数あるものにつけます。

【ダメな例】

a Tom

a Japan

など

所有格「~の」

<a(an)>や<the>の代わりに<my>「私の」や<your>「あなたの」などをつけることもあります。<my>や<your>などを<所有格>と言いますが、別の項目で詳しく扱います。ここでは以下を覚えてください。

my~「私の~」
your~「あなたの~」
his~「彼の~」
her~「彼女の~」
its~「その(それの)~」
【人名】’s「【人名】の~」
my pen私のペン」
your houseあなたの家」
his car彼の車」
her chair彼女の椅子」
its nameそれの名前」
Mike’s bookマイクの本」

これらは<a(an)><the>といっしょに使うことはできません。

【ダメな例】

a my book

the your house

his an apple

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