ライティングに必要な3つの力
型にあてはめる力
英作文を書く上で決まった型が存在します。その型に当てはめながら文章を作っていくのが基本的な方針です。
最初に結論を述べます。その次に、理由と具体例で深掘りしていき、最後に再度、結論を述べます。簡単な例を挙げると以下のようになります。
【結論/主張】
「ライティングの対策として、問題集の解答例を覚え込んでいくべきだ」
【理由】
「本番にゼロから考えていると、減点される英語表現を書いてしまったり、書くべきことが思いつかずに時間がなくなってしまったりするからだ」
【具体】
「実際にこの方法を実践しだしてからは、ライティングの点数が着実に上がってきた」
【結論/主張】
「ライティング学習においては、アウトプットするだけではなく、インプットにもかなりの力を入れるべきだ」
思い浮かんだ日本語を英語に変換しやすい日本語に置き換える力
思い浮かんだ日本語を、英語に変換しやすい日本語に置き換えます。
例えば「時期尚早」という日本語が思い浮かんだとして、これをそのまま英語に変換するのは困難なはずです。そこで、「時期尚早」を、ほぼ同じ意味である「早すぎる」と捉えると、<too soon>などの簡単な英語で表現することができます。
他にも「耳を澄ます」ならば「注意して聞く」と捉え、<listen carefully>などとします。
このように、思い浮かんだ日本語が英語に変換しづらい場合は、いったん英語に変換しやすい日本語に言い換えてみるという作戦が有効です。
知識力
どんなに上記の2点を意識しても、 語彙やフレーズと背景知識の2点に関しては、そもそも知らないとどうしようもないものも多くあります。
例えば、「環境にやさしい」は英語では何と表現するでしょう?答えは<environmentally friendly>です。「やさしい」が<friendly>になるということは考えたところで思いつかず、そもそも知っていないと書けないはずです。
背景知識の面でも、例えば「日本にとって宇宙開発は必要か?」というお題が出される場合はどうでしょう?こちらも、宇宙に関する表現はもちろん、そもそも宇宙開発をするメリットとデメリットについても、ある程度事前に準備しておかないと、試験中にゼロから考えるのは厳しいのではないでしょうか?
ライティング学習の3方針
方針①:英作文の型を知って使えるようにする
冒頭で紹介しましたが、ライティングは<[結論]→[理由]→[具体]→[結論]>という構成で攻めるのが基本です。そのうえで、以下の2点を追加することもできます。
〇[譲歩]を混ぜる
譲歩とは、「確かに〇〇という意見もあるが」というように、自分とは反対の意見をいったん受け入れる部分です。先の例に追加する場合は、「[譲歩]確かにたくさんの文章を書くことも重要だが、[結論]学習の初期段階ではインプットに重きをおくべきである」というようになります。
〇[理由]→[具体]のセットを増やす
問題で指定される語数に応じて、<[理由]→[具体]>の部分を複数混ぜ、<[結論]→[理由①]→[具体①]→[理由②]→[具体②]→[結論]>というように展開していきます。
方針②:知識の強化
基本構文を暗記しておく/日本人が間違って書きやすい英語を事前に知っておき避ける
「人が増えている」を英語に変換する場合、<people are increasing>とする人も多いのですが、正確には<the number of people is increasing>とします。<increase>は「膨張する/膨らむ」といったニュアンスなので、主語に<people>を用いることはできません。
このように、日本語に訳すと一見正しく思えるけれども、実は英語的には間違っているというものも多くあります。こういったものは、私を含めた日本人が間違いやすい表現は、最初に体系的に学習する方が効率よく進めることができます。
ひたすらネタとなる英文を覚え込む
問題集の模範解答やライティング教材の例文集などを暗記していきます。
メリットは3つあります。
まず、試験中にゼロから考えると、時間もかかるし減点される英語を書いてしまう可能性があります。事前に模範解答や例文集で覚えたものを、本番はできる限りそのまま書くことで、表現の幅も広がりますし、ミスの可能性も最小限にできます。
次に、そもそも普段考えたことがないことがお題になっていた場合も、お手上げになる可能性が高いです。解答例を覚え込むことで、どの分野がお題になってもまとまった内容を書くことができるようになります。
最後のメリットですが、スピーキングの試験がある場合は、直接的に活きてきます。ライティングで出題されるお題とスピーキングで出題されるお題がかぶることも多いからです。ライティングの模範文章を覚える際に、音声を用いてシャドーイングをしていくことで、スピーキングに対する対策にもなります。
① 英作文の型を覚える
② 英語に変換しやすい日本語を挟む
③ 問題集の模範例文をスピーキングを意識しながら覚え込む