TOEIC学習の全体の流れをまとめました。参考にしていただけると幸いです。
まず、どの資格を目指すとしても、<基礎力(語彙・文法・発音)→応用力(Reading, Listening, Speaking, Writing)>という本質的な流れは同じです。
この<基礎力→応用力>という内容はこのサイトのホームで述べましたが、ここではそれをTOEICのテストに当てはめながら、TOEIC学習の全体の流れをご紹介していきます。
では早速、結論から。
①基礎力を鍛える
【語彙】TOEIC専用の単語帳<金フレ/銀フレ>で暗記
【文法】高校レベル、英検2級レベルの文法力を固める
【発音】発音の知識を短期間で集中的に学習する
②応用力を鍛える
1.パートごとの解き方を知る。
2.公式問題集をはじめとした本番さながらの問題集を使って解法の訓練後、シャドーイングで反復する。
3.集中的に強化したいパートが出てきたら、そのパートに特化した問題集に取り組む。
一文でまとめると、「語彙、文法、発音を固めたうえで、問題集を使ってシャドーイングで反復し続ける」ということです。
現在の各自のレベルに合わせて、どこから進めるかを決めます。
例えば、英語学習自体が久しぶりという場合は、①基礎の確認から始めます。
あるいは、大学受験を終えたばかりの方や、他の英語の資格試験で英語の基礎はだいたい固まっているという場合は、②応用の<公式問題集>で先に問題を解いて自分のレベル、足りない力を確認したうえで、そこを集中的に対策していきます。
TOEICが難しい一因として、その分量が挙げられます。時間内に解ききることが難しい点です。
この対策としては、本番さながらの問題集を使って、シャドーイングを中心とした反復をしていくことが最も効果的です。
深掘りをしていきます。
TOEICに向けて基礎力を鍛える
英語の基礎力は<語彙><文法(英文の構造を把握する力を含む><発音>の3つです。
これらを、できる限りTOEICの出題傾向に合わせて進めていくと、効率的に学習することができます。
TOEICのための基礎力①:語彙
語彙の訓練には最初からTOEIC専用の単語帳を使います。
金のフレーズには「600点レベル 助走の400語」「730点レベル 加速の300語」「860点レベル 飛躍の200語」「990点レベル 頂点の100語」というように、レベル別に単語が掲載されています。
銀のフレーズは「最短ルートで600点」ということで、金のフレーズよりもさらに基本的な単語が掲載されています。
高校で配られた(大学受験用)単語帳、英検2級レベルの単語帳などをこなしたことがある場合は<金のフレーズ>を、中学レベルの単語を含めて簡単な単語から確認する必要がある場合は<銀のフレーズ>から使用することになります。
TOEICのための基礎力②:高校レベル、英検2級レベルの文法力
TOEICに向けた学習を進めるにあたって、高校標準レベル、英検2級レベルの文法知識があることが望ましいです。
TOEICには文法に関する問題も出題されますし、英文を理解するうえでも文法の知識は必須です。
すでに文法知識が一定量あるという場合は、問題集で間違えた設問の解説を読んで理解したり、必要に応じて文法書で調べたりしていきます。
一方、問題集の解説を読んでも分からないほどに知識が抜けている場合は、一度体系的に文法事項を思い出しておくことが望ましいです。
以下におすすめの参考書を紹介しています。
ご自身がどのレベルかが分からない場合は、先に公式問題集を解いてみて、Part5の文法セクションで、何がどのくらい抜けているかを確認してみてください。
大学受験や英検で学んだ文法知識がある程度残っているが、念のため文法事項を確認しておきたい場合
大学受験や英検の学習を終えて間もなく、ある程度の文法知識が残っている場合は、使用した参考書や問題集で一通り確認します。
文法知識がほとんど残っていないので体系的に1から学習したい場合
TOEICに特化した参考書か、TOEICに特化していない大学受験などの一般的な文法書で一通り学習します。
→TOEIC用文法セクション
→大学受験用参考書
→一般参考書
文法書だと学習しづらいので映像で学びたいという場合
現状、スタディサプリのTOEIC版が最適かと思います。
TOEICのための基礎力③:発音
発音の知識はスピーキングはもちろん、リスニング力にも直接的に影響をしてきます。
体系的に学んだことがない場合は、一通り発音の知識を学んでおいた方が、今後の英語学習を効率的に進めることができます。
少なくとも数日あれば、一通りの学習を終わらせることができます。
まずはこのサイトで英語の発音の全体像をつかんでみてください。
そして、発音に関する参考書で、実際に声に出しながら学んでいきます。
TOEICに向けて応用力を鍛える
応用訓練①:パートごとの解き方を知る
解く際の心構えとして、Partごとに注意すべき点があります。
このサイトの別のページでまとめていますので、詳しいテクニックはそちらを確認してください。
応用訓練②:本番さながらの問題集をシャドーイングで仕上げる
公式問題集を含めた、<本番さながらの問題集>をメインの教材にします。
手順①:時間を測りながら解く
TOEICは時間との戦いになります。
初期のころは時間内に解くことが困難かと思われますので、その場合は<時間を測って解いた後に、解ききれなかったものを時間無制限で解きなおす>という手順で進めます。
時間無制限でも解けないものは、語彙や文法、読解力などの<英語力>の問題です。
逆に、時間無制限なら解けるが時間内には無理な場合、スピードや正確さなどの<処理能力>が原因です。
以上のどちらが原因で間違えたのかは、1問1問分析します。
語彙などの知識不足で解けなかった場合は、問題集を反復する際に一緒に反復して覚え込みます。
英語の処理能力に関しては、以下で説明するシャドーイングによる反復を続けることで、徐々にですが確実に解決していきます。
手順②:分からなかった箇所を解答・解説・和訳で確認
分からなかった箇所を確認します。
解いている段階で分からなくても、解答・解説・和訳を見て理解、納得できるのであれば問題ありません。そのまま続ければ確実に伸びていきます。
逆に、解答・解説・和訳を見ても分からないところが多い場合は、英語の基礎(特に語彙や慣用表現、文法知識)が抜けている可能性がありますので、必要に応じた対策も並行します。
→このページの<基礎訓練>の部分を参照
手順③:シャドーイングで仕上げる
最後はシャドーイングで反復をしていきます。
シャドーイングは、音声に少し遅れて自分で声に出していくトレーニングです。
まずは英文を見ながらシャドーイングをして、口に慣らします。
数回~数十回やって慣れたら、音声だけでシャドーイングをします。
日本語に訳したりせずに、英語のままで内容を理解しながらシャドーイングができるようになるまで繰り返すいます。回数にして数回~数十回ほどです。
一日にまとめてではなく、数日に分けて繰り返します。
①【日曜日】問題集を1回分解いて答え合わせ
②【月曜日~土曜日】シャドーイングで反復していく(通勤通学時間なども活用しながら)
一度に一回分こなすのが重すぎる場合は、Partごとに分けて進めたり、苦手なPartのみ反復したりしてもよいです。
【日曜日】Part 1~3+Part 5~6
【月曜日~水曜日】日曜日分の復習(シャドーイングによる反復)
【木曜日】Part 4+Part 7
【金曜日~土曜日】木曜日分の復習(シャドーイングによる反復)
応用訓練③:必要に応じて苦手なパートを集中的に補強する
基本的には②で紹介した問題集に取り組み続ければ、点数は確実に伸びていきます。
ただ、「このPartはもっと重点的に強化したい」と感じる場面が出てくることがあるかもしれません。
その場合、そのセクションに特化した問題集を購入するのもアリですが、「②で紹介した問題集で、強化したいセクションのみ反復を続ける」という作戦がよいのではないかと思います。
例えば、学習を進めていくと、例えばリスニングセクションのPart1やリーディングセクションのPart5(文法)など、「これ以上やらなくても点数的には問題なさそう」と感じるものが出てくると思います。
その場合、そのセクションをやっても時間の無駄になってしまうので手は付けず、集中的に訓練したいと思うPartのみを解き続けます。
例えば「今後は苦手なリスニングセクションのPart3と4、リーディングセクションはPart7をルーティンでやって、その他のPartは本番前日に通しで解こう」というように、必要なPartに絞って問題集を使う方が、Partごとの問題集を個別に購入するよりも効率よく進めることができるはずです。
まとめ
TOEICの学習は3つの視点を意識します。
①基礎(語彙・文法・発音)を固める
②公式問題集をはじめとした<本番同様の問題集>でシャドーイング
③特に苦手なパートが出てくれば、そのパートに絞った問題集を追加する
徹底的にシャドーイングで反復することを意識しておけば、問題集3回分も進んだころにはかなりの伸びを感じているはずです。
通勤通学や散歩の時間など、シャドーイングを日常生活に加えて、毎日30分以上取り組むようにしたいです。