受動態の基本は受動態①を確認してください。今回は第4文型、第5文型、現在完了の受動態と<by whom>について学習します。
第4文型の受動態
第4文型の受動態
第4文型(SVOO)は、それぞれの(O)を主語にした、2つの受動態をつくることができます。
He gave me this watch. | 「彼がこの時計を私にくれた」 |
【meを主語にする】 I was given this watch by him. ※過去分詞の後にもう1つのOであるthis watchがくる | 「私は彼にこの時計を与えられた」 |
【this watchを主語にする】 This watch was given (to) me by him. ※過去分詞の後にもう1つのOであるmeがくる。 ※toは省略可能 | 「この時計は彼によって私に与えられた」 |
第3文型の受動態は<This room is cleaned by him.>のように、過去分詞(cleaned)の後に名詞はなく、<by him>といったMしかありませんでした。それに対して、第4文型の受動態は過去分詞の後に<this watch>や<me>といった名詞が続く点に注意してください。
for型は1つの受動態しかない
まず、第4文型にはgive, send, show, teach, tellなどのtoタイプとfind, make, buyなどのforタイプがあったことを思い出してください。このうちforタイプは1種類の受動態しかありません。
He bought me this watch. | 「彼は私にこの時計を買ってくれた」 |
【this watchを主語にする】 This watch was bought for me by him. | 「この時計は彼によって私のために買われた」 |
【meを主語にすると…】 [ダメな例]I was bought… | 「私は買われた…」 |
上記のように、<人>の部分を主語にすると「<人>が買われる(作られる)」などという不自然な意味になるので、普通はこの形になりません。
第5文型の受動態
第5文型(SVOC)の受動態は1種類のみです。
They call me Tom. | 「彼らは私をトムと呼ぶ」 |
I was called Tom (by them). ※過去分詞の後にCにあたるTomがくる | 「(彼らに)私はトムと呼ばれる」 |
第3文型の受動態は<This room is cleaned by him.>のように、過去分詞(cleaned)の後に名詞はなく、<by him>といったMしかありませんでした。それに対して、第5文型の受動態は過去分詞の後に<Tom>のような名詞が続く点に注意してください。
現在完了の受動態
現在完了の受動態は<have been+過去分詞>という形になります。
Tom has finished this work. | 「トムはこの仕事を終わらせた」 |
This work has been finished by Tom. | 「この仕事はトムに終わらせられた」 |
群動詞/句動詞
speak to~「~に話しかける」、laugh at~「~を笑う」、take care of~「~の世話をする」など、2語以上で1つの動詞とみなすものを群動詞または句動詞と言います。これらは1つの動詞と考えて受動態の文をつくることになります。
Everyone laughed at me. | 「誰もが私を笑った」 |
I was laughed at by everyone. ※laugh atで1つとみなすので、atを忘れないように注意。 ※はじめはat byの部分に違和感を覚えますが、正しい形です。 | 「私はみんなに笑われた」 |
She took care of me. | 「彼女が私の面倒を見た」 |
I was taken care of by her. ※take care ofで1つとみなすので、care ofを忘れないように注意。 | 「私は彼女に面倒を見られた」 |
A foreigner spoke to me. | 「外国人が私に話しかけた」 |
I was spoken to by a foreigner. ※speak toで1つとみなすので、toを忘れないように注意。 | 「私は外国人に話しかけられた」 |
by whom
byの後がwhoになる場合、2通りの疑問文ができます。以下の文を下線部を問う疑問文にかえてください。
This letter was written by Tom.
Tomは<人>なのでwhoにして文頭に出し、残りを疑問文の語順にして続けます。
Who was this letter written by?
もちろん、これは正しい文です。そしてbyに注目してください。byは前置詞ですが、前置詞は<前置詞+名詞>という形でセットになります。なので、whoが前にでる際にbyも一緒にくっつけてもいいというルールがあります。ただしその際、whoはwhom(この形は関係代名詞ででてきます)にします。
By whom was this letter written?
まとめると、<by~>の<~>部分がwhoになる場合、以下のように2通りの疑問文が考えられます。
This letter was written by Tom. | 「この手紙はトムに書かれた」 |
①Who was this letter written by? | 「この手紙は誰に書かれましたか?」 |
②By whom was this letter written? | 「この手紙は誰に書かれましたか?」 |