【中学英文法・高校受験英文法解説】受動態②~第4文型/第5文型/現在完了/by whom/群動詞~

受動態の基本は受動態①を確認してください。今回は第4文型、第5文型、現在完了の受動態と<by whom>について学習します。

第4文型の受動態

第4文型の受動態

第4文型(SVOO)は、それぞれの(O)を主語にした、2つの受動態をつくることができます

He gave me this watch.「彼がこの時計を私にくれた
【meを主語にする】
I was given this watch by him.
※過去分詞の後にもう1つのOであるthis watchがくる
「私は彼にこの時計を与えられた
【this watchを主語にする】
This watch was given (to) me by him.
※過去分詞の後にもう1つのOであるmeがくる。
※toは省略可能
「この時計は彼によって私に与えられた

第3文型の受動態は<This room is cleaned by him.>のように、過去分詞(cleaned)の後に名詞はなく、<by him>といったMしかありませんでした。それに対して、第4文型の受動態は過去分詞の後に<this watch>や<me>といった名詞が続く点に注意してください。

for型は1つの受動態しかない

まず、第4文型にはgive, send, show, teach, tellなどのtoタイプとfind, make, buyなどのforタイプがあったことを思い出してください。このうちforタイプは1種類の受動態しかありません。

He bought me this watch.「彼は私にこの時計を買ってくれた
【this watchを主語にする】
This watch was bought for me by him.
「この時計は彼によって私のために買われた
【meを主語にすると…】
[ダメな例]I was bought…
「私は買われた…」

上記のように、<人>の部分を主語にすると「<人>が買われる(作られる)」などという不自然な意味になるので、普通はこの形になりません。

第5文型の受動態

第5文型(SVOC)の受動態は1種類のみです。

They call me Tom.「彼らは私をトムと呼ぶ
I was called Tom (by them).
※過去分詞の後にCにあたるTomがくる
「(彼らに)私はトムと呼ばれる

第3文型の受動態は<This room is cleaned by him.>のように、過去分詞(cleaned)の後に名詞はなく、<by him>といったMしかありませんでした。それに対して、第5文型の受動態は過去分詞の後に<Tom>のような名詞が続く点に注意してください。

現在完了の受動態

現在完了の受動態は<have been+過去分詞>という形になります。

Tom has finished this work.「トムはこの仕事を終わらせた
This work has been finished by Tom.「この仕事はトムに終わらせられた

群動詞/句動詞

speak to~「~に話しかける」、laugh at~「~を笑う」、take care of~「~の世話をする」など、2語以上で1つの動詞とみなすものを群動詞または句動詞と言います。これらは1つの動詞と考えて受動態の文をつくることになります。

Everyone laughed at me.「誰もが私を笑った
I was laughed at by everyone.
※laugh atで1つとみなすので、atを忘れないように注意。
※はじめはat byの部分に違和感を覚えますが、正しい形です。
「私はみんなに笑われた
She took care of me.「彼女が私の面倒を見た
I was taken care of by her.
※take care ofで1つとみなすので、care ofを忘れないように注意。
「私は彼女に面倒を見られた
A foreigner spoke to me.「外国人が私に話しかけた
I was spoken to by a foreigner.
※speak toで1つとみなすので、toを忘れないように注意。
「私は外国人に話しかけられた

by whom

byの後がwhoになる場合、2通りの疑問文ができます。以下の文を下線部を問う疑問文にかえてください。

This letter was written by Tom.

Tomは<人>なのでwhoにして文頭に出し、残りを疑問文の語順にして続けます。

Who was this letter written by?

もちろん、これは正しい文です。そしてbyに注目してください。byは前置詞ですが、前置詞は<前置詞+名詞>という形でセットになります。なので、whoが前にでる際にbyも一緒にくっつけてもいいというルールがあります。ただしその際、whoはwhom(この形は関係代名詞ででてきます)にします。

By whom was this letter written?

まとめると、<by~>の<~>部分がwhoになる場合、以下のように2通りの疑問文が考えられます。

This letter was written by Tom.「この手紙はトムに書かれた」
Who was this letter written by?「この手紙は誰に書かれましたか?」
By whom was this letter written?「この手紙は誰に書かれましたか?」

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